リワークデイケア
当院ではうつ病やうつ状態で休職している方や、復職や再就職を目指す方などを対象とした、復職支援(リワーク)プログラムを専門に行うデイケアを開設しております。
早期の職場復帰に向け、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師、薬剤師が連携しサポートしていきます。
リワークとは
うつ病の治療には、薬物療法と休息、そしてリハビリテーションをあわせて行うことが有効だとされています。
心理教育を中心としたリハビリテーションプログラムを通じて、疾患への理解を深め、自分の考え方や行動の特徴をよく知ることで、症状悪化の防止、再発の予防、職場復帰を目指します。
当院リワークの特徴
当院のリワークの特徴は、疾患教育や認知行動療法、アサーショントレーニングなど心理教育と、過去の自分の考え方や行動を振り返ることを中心としたプログラムが多い構成となっております。また、毎日スタッフと1対1の面談を行うことで、それぞれの進行具合や課題・目標をスタッフと相談しながらすすめてまいります。
リワークデイケアに参加するメリット
生活リズムを整えることができる
休職期間は、行うことが少なくなり、診察以外の日は家で過ごしがちになるかたが多くなります。昼寝をしてしまい夜眠れなくなる昼夜逆転の生活になってしまうことも少なくありません。
復職に備え、毎日決まった時間に起き、リワークデイケアに参加することで、規則正しい生活習慣や睡眠リズムを整えやすくなり、活動的になってきます。
これは、職場復帰に向けての最初のステップになることが多く、会社の産業医もまずはこの点を重視しています。
共通の悩みをもつ方の意見や行動が参考になる
こころの病で休職しているという同じ悩みを抱え、職場復帰という共通の目的をもった方であるからこそ、わかりあえる、意見を素直に聞けるといったことも多くあります。
似たような境遇で、どのように解決していこうとするのか、していったのかとうい意見が参考になったというケースは多く、人間関係のとりかたや苦手な事例など、お互いにアドバイスし合うことができます。
復職準備性を高められる
復職の準備が整っているかどうかは、主治医の診断書だけでなく、リワークのプログラムに参加していることや、看護師、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士などの他職種スタッフの継続した観察からの評価が重視されてきています。
明石こころのホスピタルは、うつ病リワーク研究会の会員となっております。研究会の研修に参加したスタッフが、復職に関する準備性を研究会の復職準備性評価表にて評価をおこなっております。
身近に相談できるスタッフがいる
看護師、精神保健福祉士、公認心理師、作業療法士などのスタッフがおりますので、職場復帰へ向けての会社との打ち合わせで困りそうなことや不安なこと、福祉の制度などについても個別の相談もできます。
対象者
気分障害(うつ病や双極性障害)や不安障害、適応障害等で現在休職中の方で、復職を目標としている方。
活動日・活動時間
活動日
月曜日~金曜日(祝日・年始年末などは除く)
活動時間
8:30~15:30
活動内容
曜日 | 午前のプログラム | 午後のプログラム |
---|---|---|
月 | ディベート 各自課題 |
心理教育 ディスカッション |
火 | ワーク(自己の振り返り) 各自課題 |
WRAP ディスカッション |
水 | ヨガ | SST |
木 | リラクゼーション ディスカッション |
CBGT 心理教育 |
金 | アサーショントレーニング 各自課題 |
アートプログラム |
プログラム内容の紹介
SST
社会生活技能訓練などとも呼ばれることがあり、認知行動療法と社会学習理論を基盤にしたものです。役割を演じることによりコミュニケーションの仕方を具体的に学んでいます。
アサーショントレーニング
コミュニケーションスキルの1つで、「人は誰でも自分の意思や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己表現のことです。相互理解を深めるための手法の紹介をさせていただいています。
ディベート
異なる立場に分かれ討論する中でどんなやり方にも、メリットとデメリットがあることを学んでいます。
CBGT(集団認知行動療法)
考え方・捉え方のクセを自覚するところから始め、みんなで種々の考え方を出しつつ、その幅を広げて、”気分を楽にする方法”を講義中心に行っています。
WRAP
注意サインやつらくなった時の対処法等をあらかじめ準備しておき、日々のセルフコントロールにつなげがるよう各自冊子を作成します。
テーマトーク
様々なテーマで意見交換を行い、捉え方の幅を広げることに役立てています。
ワーク
学んだ内容を活かして仕事やうつの振返りを行い、再発せずに仕事を続ける自信を深めています。月に一度は発表の場を設けています。
コンセンサスゲーム
課題についてみんなで意見を出し合って合意に至ることで、グループで考える効果を実感します。集団内での主張の仕方も学んでいます。
プログラム進行のイメージ
プログラムは月初よりの開始となっております。3ヵ月ワンクールとしております。期間につきましては、復職時期等に合わせて行っておりますので、御相談ください。
リワークお問い合わせ担当スタッフ:村田
プログラム開始までの流れ
※リワークデイケアの事前見学は他の参加者のプライバシー保護の観点からお断りしております。
※当院のリワークプログラムは、主治医の変更はしなくとも、御利用いただけます。
※企業の復職担当、産業医からのリワークプログラムに関する問い合わせも受け付けております。
費用
各デイケアの利用には、各種保険とあわせて『自立支援医療制度』の利用により、所得に応じた負担の上限が設けられます。手続きの仕方など、詳しい内容はスタッフまでご相談ください。
その他、通院にかかる交通費などの費用は、自己負担になります。
各デイケアへのお問い合わせ・申し込み
主治医に受診時にデイケア参加希望をお伝えください。参加の判断となりましたら、デイケアスタッフから参加手続き等、説明させていただきます。
参加前に見学を希望される方は、気軽に申し込みください。
他院から参加希望の方は、まずは主治医と御相談の上、紹介状を持参して当院医師の診察を受けてください。