心理室ブログ

Here and now

 『たまには心理に絡んだ話が聞きたい』という声がちらほら聞こえている事もあり、今回は珍しく心理士らしい専門的な話題でも挙げてみようかなと思っております。

 最近『アドラー心理学』が脚光を浴びているという話題を耳にしました。アドラーは『すべての悩みは対人関係の悩みである』という点を言及しており、特に人間関係でストレスを抱える事の多い現代社会において新しい指針として取り入れる方も多いそうです。

 他の大きな特徴として問題の『原因』を探るのではなく、これからどうするのかという『目的』を重視していることが挙げられます。過去でも未来でもなく、現在を変えようとする姿勢が現代人の共感を呼んでいるのかもしれませんね。

 

 さて、視点を変えて今度は日本の文学界に目を移してみましょう。有名な夏目漱石の『草枕』の冒頭部分をいかに抜き出してみます。

『山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。』

 

 人の世で生活する事の息苦しさや窮屈さを述べた言葉であり、この冒頭部分を覚えている方も多いと思われます。そしてこの文の続きには『人の世が住みにくいと思うなら、少しでも住みやすくするように工夫しなければならない』『人の心を豊かにするのは芸術である』『だから人の世には芸術が必要である』という内容が言及されており、文学者として漱石の心構えが感じられますね。

 アドラーも漱石も人の世の息苦しさについて言及しており、『人間関係』と『芸術』という差はあっても『より良く生きるための工夫』が必要であるという点は共通していると思われます。アドラー心理学や純文学の中にその指針を見つけられる人々がいるように、自分に合ったより良い工夫を見つける事が重要なのかもしれません。もし一人だけで見つけられないと感じた時には、当院へ足をのばしていただけると幸いです。

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